バイト先の、小学部の講師が風邪で倒れ、私が急遽代講する。以前は私が担当していたコマなので、急遽だったが準備はさほどしないでもしのげた。私の後任講師は存外講義が下手ですこぶる生徒受けが悪く、相対的に、私はすこぶる生徒受けがいい。 で、社会科の「歴史」の、戦国時代から安土桃山時代にかけてを講義する。日本兵士が殺害した朝鮮兵士の耳を切り落として記念品として集めた「耳塚」(所在地・京都)の件などが中学受験には出るから、受験用テキストには大きく載っている。ちなみに第二次大戦で米軍も日本兵士の耳を切り落として自宅のドアに飾ったりした。こういう野蛮な風習は東西を問わないものだね。 そんなことを講義していると、生徒から「戦争でいかに人を殺すか」についての質問があった。この質問は常に出る質問で、ほぼ必ず教室の中で身体の発育が一番遅い、体つきの幼い生徒が発する。 私は常に、以下のように答える。 「戦争は殺しに