政府は、性犯罪の厳罰化や被害者の告訴が起訴の条件となる「親告罪」規定の撤廃などを盛り込んだ刑法改正案を今国会に提出する。 3月上旬にも閣議決定し、今国会中の成立を目指す。 改正案では、被害者を女性のみとしてきた 強姦 ( ごうかん ) 罪について、男性も被害対象としたほか、性交の類似行為も対象に含めた。それに伴って、罪名を「強制性交等罪」に変更する。強姦罪の法定刑は「懲役3年以上」だが、強制性交等罪では、「懲役5年以上」に引き上げる。強制性交等に関する致死傷は、強姦致死傷罪の「懲役5年以上」から「6年以上」に強化する。 現在、強姦罪や強制わいせつ罪で加害者を起訴するには、被害者の告訴が必要だが、改正案では、この規定を削除する。心身ともに大きなダメージを受けた被害者が告訴するのは負担が大きく、泣き寝入りにつながるケースもあることから、告訴がなくても罪に問えるようにする。
