『人生ゲーム 人生は1マス5年で考えよう』(佐藤安太著・マイナビ)より。 【私は、リカちゃんを米国でも発売しようとして、マテル社に話を持ち込んだことがあります。しかし、そこで玩具というのは、それぞれの国の文化に深く根ざしているのだということを思い知らされます。マテル社の重役が並ぶ前で、私はリカちゃんの実物を出して、特徴などを説明しました。 「リカちゃんにはわたるくんやいづみちゃんという友だちの人形もあります」 マテル社の重役たちは、みな怪訝な顔をしています。 「さらに、リカちゃんにはお母さんとお父さんの人形もあります」 リカちゃんママとパパの人形を見せると、重役たちは目を丸くして驚いています。 そして、どなたかが尋ねました。「これは日本で売れているのか?」と。「大ヒットです」と答えると、重役全員が腹を抱えて爆笑しだしたのです。「人形にパパとママがいるって? そんな遊びをする子はアメリカには