“出社組とリモート組”両方のためのオフィス グーグルの最初のオフィスは、シリコンバレーの雑然としたガレージだった。そこには木挽き台の上に板を乗せてつくったデスクが所狭しと並んでいた。 創業から5年が経った2003年、グーグルは「グーグルプレックス」と呼ばれる広大なキャンパスに拠点を移した。開放的な、仕切りのない「オープンオフィス」や一風変わった共用空間は、「革新的な職場」があるべきとされる基準を新たに打ち出した。時とともに快適な設備も充実。食事も、通勤の送迎バスも無料になり、出社するのも、一日中、社内にいるのも楽になった。 このように「雇用主による従業員への待遇」を再定義したグーグルだが、今度は「オフィスのあり方」そのものを再定義しようとしている。この1年で在宅勤務に慣れ、常にオフィスにいたいとはもう思わなくなった従業員のためにグーグルは、パンデミック後の職場づくりに取り組んでいる。 米国