警視庁などの捜査当局による家宅捜索が続くオウム真理教の教団施設「第10サティアン」と富士山=山梨県旧上九一色村で1995年5月22日午後5時半、東京本社写真部員撮影 1995年3月の地下鉄サリン事件後、オウム真理教の施設にいた100人以上の子どもが全国の児童相談所に一時保護された。学校に通わず、特異な教義の下で集団生活を送っていた子どもたちに児相はどう対応したのか。最多の53人を一時保護した山梨県の記録などから、その実態に迫る。 この連載は全3回です。 このほかのラインアップは次の通りです。 第1回 「これって誘拐?」保護された53人の子ども 教祖を神格化 第3回 「げんせのバカバカ」消えぬ教団の記憶、家族再会に喜びも ドキュメント「オウムの子」(2) 一時保護されるまで、子どもたちは教団でどんな生活を送っていたのか。それは児童虐待ともいえる劣悪な環境だった。 山梨県旧上九一色村(現・富士