家族が不安そうな顔をして、テレビを観ている。子どもだけ、窓の外を眺めている。 不安そうな子どもの顔。 その子どもの祈る仕草。 そして、コマの右上にお日様が半分だけ見える風景。 高知新聞夕刊に連載中の4コマ漫画、村岡マサヒロ作「きんこん土佐日記」。冒頭で紹介したのは、2011年3月13日のウェブ版に掲載された同作品の4コマである。セリフはない。 2004年に連載を開始したこの漫画は、じいさんとばあさん、息子夫婦、そしてその子どもが主な登場人物で、セリフはすべて土佐弁。ほのぼのとした家族のエピソードと、賢い孫の辛口な発言が好評で、現在も連載がつづいている。NHK大河ドラマ『龍馬伝』最終回をディスった漫画として、2ちゃんねるを中心に話題となったのは記憶にあたらしい。 ユーモラスな4コマ漫画の連載中に、突然、3月11日の東日本大震災がおとずれる。村岡さんと編集を担当する高知新聞記者の松