安全保障関連法案をめぐり「法的安定性は関係ない」とした自らの発言に関し、礒崎陽輔首相補佐官は参院特別委員会で撤回し謝罪した。連立相手の公明党内で浮上した辞任論を受け官邸が火消しに奔走。公明党も礒崎氏の発言取り消しを受けて振り上げたこぶしを下ろした形だ。国民の法案に対する疑念が深まったとする野党は、安倍晋三首相の任命責任に照準を合わせ、追及を強める構え。政府、与党の狙う問題収束はおぼつかない。 ▽だめ押し 「ご迷惑を掛けている」。3日昼の政府与党連絡会議。首相は公明党幹部らを前に、礒崎氏発言のわびを入れた。この後開かれた参院平和安全法制特別委員会で、礒崎氏は「心からおわびする。発言を取り消す」と何度も頭を下げた。 7月26日に礒崎氏の発言があった後、官邸が収拾に向けて動きだしたのは、30日朝の公明党会合で厳しい意見が相次ぎ、翌31日に井上義久幹事長が「看過できない」と批判したことがきっかけだ