山形市のそば屋で冬季に細々と出されてきた「すっぽこ」に思いを寄せる人たちがいる。10年前に「すっぽこ研究所」を設立し、そばとラーメンが大手を振る中、熱々で濃厚なあんと豪華な具材が入ったこのうどんについて、時々集まっては語り合っている。今冬にはラジオやフリーペーパーなどでも取り上げられた。 ずっしりと重量感のあるおわんのフタを開けると、どろっとしたあんの中にうどんとエビ、卵焼き、しいたけ、タケノコ、かまぼこなど色とりどりの具材が現れた。山形市役所の裏にある「品川家」に4月上旬、研究所のメンバー4人が集まった。 昼時、そばを注文する客に紛れて熱々のうどんをすすりながら「なんで庄内にはないんだろう」「家でじいちゃんが作ってたって話、よく聞くよ」と「すっぽこトーク」に花を咲かせた。研究所長の長岡信也さん(57)は「遊びなんですけど、すっぽこに対する愛は本物です」と胸をはる。 長岡さんが初めてすっぽ