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ブックマーク / mandanatsusin.cocolog-nifty.com (18)

  • 不穏なエッセイマンガ『今日を歩く』 - 漫棚通信ブログ版

    エッセイマンガなのに不穏で不穏で。 いがらしみきお『今日を歩く』(2015年小学館、537円+税、amazon) いがらしみきおがご近所を散歩する「だけ」のエッセイマンガ。新しい道と景色を発見しようとするわけでもなく、くり返しいつもの道を歩きます。 ところがこれが普通じゃない、怖いマンガなのです。何が怖いかといって、主人公が何を考えているのかわからないのが怖い。 エッセイマンガというのは、当然ながら作者の一人称で描かれていて、モノローグも多用されます。ですから、作者が何を考えているのかわからない、ということは来ありえない。 しかし書ではそれがありうるのです。いがらしみきおという存在は狂騒的な『ネ暗トピア』の作者にして、ハートウォーミングふうに見せてる『ぼのぼの』はまあおいといて、最近は目を離せないホラーマンガを連発するひと。 マンガキャラクター化されたいがらしみきおは、頭のてっぺんあた

    不穏なエッセイマンガ『今日を歩く』 - 漫棚通信ブログ版
    FUKAMACHI
    FUKAMACHI 2015/03/18
    買う。
  • 紙か電子か『ナナのリテラシー』 - 漫棚通信ブログ版

    フィクションとしておもしろく、ルポルタージュとしておもしろく、メタ的におもしろい。 ●鈴木みそ『ナナのリテラシー』1巻(2014年KADOKAWA/エンターブレイン、650円+税、amazon) ●同キンドル版1巻(2014年鈴木みそ、税なし400円、amazon) 書影左が紙の、お値段は650円+税。書影右はキンドル版で、ご存じのとおりアマゾンの電子書籍は日国に税金を払っていませんので税抜きじゃなくて税なし、さらに価格設定がお安く400円となっております。 この二冊、発行/発売が異なってて、紙のKADOKAWA/エンターブレインから。キンドル版は、著者人「鈴木みそ」が販売しています。 書影イラストは、著者のとしてはめずらしく美少女+花が散るバックという、なんてあざといんでしょ、と驚くようなデザイン。ねらってるな。それはそれとして、発行/発売元が違うのに同じデザイン。さて、なぜ

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    FUKAMACHI
    FUKAMACHI 2014/01/27
    興味深い。
  • ほんとにやなヤツ『スティーブ・ジョブズ』 - 漫棚通信ブログ版

    ヤマザキマリ『スティーブ・ジョブズ』1巻を読んだわけですが。 ●ヤマザキマリ/ウォルター・アイザックソン『スティーブ・ジョブズ』1巻(2013年講談社、619円+税、amazon) いやびっくりした。ヤマザキマリってこんなにマンガがうまかったんだ。どちらかというとアイデアのひとで、演出のひとじゃないと思ってたんですよ。失礼しました。わたし認識をあらためました。ごめんなさい。 原作は評伝というか自伝というか、ご人公認の伝記。これをいかにマンガにするか、マンガ家のウデの見せどころ、なのでしょうが、書はけっこうなデキ。 文章のをマンガにするにはいかに削るかがタイヘンだと思うのですが、ここまですらっと読めるように削り、連載一回分でも山と谷があっておもしろい。しかも次回へのヒキを忘れない。 さらに背景や小物や機械のいろいろまで、じつにそれらしく描かれてる。田舎田舎らしく都会は都会らしく機械は

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  • 遺稿にして埋もれた名作『地上の記憶』 - 漫棚通信ブログ版

    双葉社はいいを出したなあ。 ●白山宣之『地上の記憶』(2013年双葉社、1200円+税、amazon) 2012年に早逝した著者の遺稿集として編まれた短篇集です。安部慎一、泉晴紀、大友克洋、さべあのま、鈴木翁二、高寺彰彦、高野文子、谷弘兒、谷口ジロー、平田弘史、ほんまりう、山おさむがメッセージやイラストを寄せていて、カバーデザインは大友克洋。 収録されているのは1979年から2003年までに描かれた短編五作。1979年『Tropico』はロベール・アンリコの映画「冒険者たち」みたいな、しゃれた感じの活劇。 2003年の『大力伝』は平田弘史のマンガ『怪力の母』を、別人を題材にしてリメイクしたような作品。絵や語り口も平田タッチに似せるというムチャをしてて、しかも成功しているのがすごい。 おどろいたのが2001年『ピクニック』。関ヶ原の戦いを「物見遊山」として見物する農民たちを描いた作品。お

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  • ほのぼのしんみりだけじゃない『ペコロスの母に会いに行く』 - 漫棚通信ブログ版

    書店ではマンガの棚じゃないところに置いてありました。 ●岡野雄一『ペコロスの母に会いに行く』(2012年西日新聞社、1200円+税、amazon) 予備知識がまったくなく、ぱらぱらと立ち読みをしてから購入。シュリンクしてなかったのでありがたかった。 まずタイトルで「?」ですが、ペコロスとは著者のペンネーム。書影イラスト右のハゲたおっさんですね。そして左のばあちゃんが著者のお母さん。老いた母が老いた息子のハゲアタマをなでている図です。 「会いに行く」とは著者の母が認知症となりグループホームに入所しているから。 長崎のタウン誌に連載されたのち自費出版され、評判となって大手から出版されたそうです。 著者は長崎在住のフリーライター62歳。母は夫が亡くなってからゆっくりと認知症の症状を悪化させていきます。物忘れ、幻覚、妄想…… 最初のほうは母の見せる老いと認知症を描いた日常エッセイマンガ。一篇が二

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  • 芸術と革命と愛『ムチャチョ』 - 漫棚通信ブログ版

    BDの作家は絵のうまいひとばかりだけど、このひとの絵はまた格段に美しい。 ●エマニュエル・ルパージュ『ムチャチョ ある少年の革命』(大西愛子訳、2012年ユーロマンガ/飛鳥新社、2700円+税、amazon) 出版社からご恵投いただきました。ありがとうございます。 舞台は1976年の中米ニカラグア。当時のニカラグアは40年続いたソモサ一族の独裁に対する国民の不満が増大していた。左翼のサンディニスタ民族解放戦線によるゲリラ活動は活発化し、これに対し政府は合衆国の支援を受け、国家警備隊による暴力で国民とゲリラを制圧しようとしていました。 マンガのオープニング、ジャングルの中で国家警備隊が首都マナグアから南部のサン・フアンに向かうバスを検問している。ゲリラのシンパをあぶり出すため。そこでひとりの女性が捕らえられます。彼女がマッチでなくライターを持っていたからです。 ニカラグアでは大統領の工場がつ

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  • 吉川ロカ全曲集 - 漫棚通信ブログ版

    ●「吉川ロカ全曲集」というタイトルのエントリ(2012年3月31日)でYouTubeで聞けるファドを紹介していたのですが、著作権問題でいくつかの曲とリンクできなくなっておりました。『文藝別冊総特集いしいひさいち』で、ちらっと当ブログが紹介されたのをきっかけに記事を修正していたら、ミスでエントリをまるまる消しちゃったみたいです(泣)。というわけで、記事をあらためてアップしなおしておきます。元記事と少しだけ変わってます。 ◆ 朝日新聞連載四コママンガ、いしいひさいち『ののちゃん』の人気キャラ、吉川ロカのシリーズ、ついに終わっちゃいましたねー。そこでロカちゃんファンのわたしが、吉川ロカ史を語りましょう。 実はマンガには彼女より先にバックバンド、というかギターデュオのふたりが早く登場しています。2009年3月のこと。ひとりはギター、もうひとりはギターラを手にしていました。ギターラというのは丸っこい

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    FUKAMACHI
    FUKAMACHI 2012/03/31
    おもしろい。
  • 後衛はこれだ『恐怖博士の研究室』 - 漫棚通信ブログ版

    マンガにしても何にしても、前衛ばかりが注目されるようではいけません。どんな分野にも後衛というのがあるわけで、おそらく商業マンガでもっとも後衛を歩んでると思わせる作品がこれ。 ●根尚『恐怖博士の研究室 あやしい1コマ漫画屋がやってきた!』(2011年秋田書店、714円+税、amazon) えー書影で軽く笑いをとってます。秋田書店サンデーコミックスは、書店でこそあまり見かけなくなりましたが、今も現役で新品が買えます。すごいですねー。書のデザインはそのサンデーコミックスのフォーマット。ただし新書判じゃなくてA5判ですけど。 すみません、このマンガ、買ってくるまでその存在も知りませんでした。オビの紹介文より。 この作品は「ミステリーボニータ」という少女まんが雑誌に10年以上連載されていた物です。読者人気はおおむね14位。「どこがおもしろいかわからない」などという厳しいご意見をいただくこともあり

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    FUKAMACHI
    FUKAMACHI 2012/02/10
    思わぬ収穫で、かなりおもしかった。
  • 年末ベストテン雑感 - 漫棚通信ブログ版

    年末ベストテンがいろいろと発表されてます。 ●おなじみ宝島社『このマンガがすごい!2012』の選者は、有名人、書店員、雑誌編集部、大学漫研、中学校、小学校、マンガ学部+マンガ専門学校。さらに「各界のマンガ好き」(オトコ編55名、オンナ編41名)を合わせて、計オトコ編が111名、オンナ編が81名。 表紙には「400人以上のマンガ好きが選ぶ」とあります。それはちょっとマユツバですが、実際の選者はオトコ編オンナ編、それぞれ100人前後となり、かなりの人数です。基的に昨年「2011」と同様の選考方法です。 『このマンガがすごい!』は、一昨年「2010」で集票に全国アンケートを加えるという愚を犯してしまいましたが、さすがに昨年、今年とそれはやめてます。日でダントツに売れてるマンガはここ数年ずっと『ワンピース』なんですから、それしちゃうとね、もうブックガイドじゃなくなっちゃう。毎年『ワンピース』が

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    FUKAMACHI
    FUKAMACHI 2011/12/24
    「このマンガを読め!」読もうかな。
  • 世界中のナチュラリストのために、戦え!『マリファナマン』 - 漫棚通信ブログ版

    近年のアメコミ邦訳は、小学館集英社プロダクションとヴィレッジブックスが地道にがんばってくれてます。とくにアメコミ・ヒーロー映画が公開されたときは、二社から競うように邦訳が出版されてます。 映画「マイティ・ソー」のときは、ヴィレッジブックスから『ソー:マイティ・アベンジャー』。小プロからはなんとお懐かしや、ジャック・カービー画の『マイティ・ソー:アスガルドの伝説』。 映画「グリーンランタン」のときは、ヴィレッジブックスから『グリーンランタン:リバース』と『グリーンランタン:シークレット・オリジン』。小プロからはこれも古典だ、日のマンガ家がいっぱい模写したと言われてるニール・アダムス画の『グリーンランタン/グリーンアロー』が発売。 そして明日公開の映画「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」では、ヴィレッジブックスから『キャプテン・アメリカ:ニューディール』と小プロから『キャプ

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    FUKAMACHI
    FUKAMACHI 2011/10/13
    アメコミの世界は深い。笑った。
  • 迷ったり愛したり『パリ愛してるぜ~』 - 漫棚通信ブログ版

    かつて「オフィスユー」に『パリの迷い方』というエッセイマンガが連載され、のちに単行化されました。読んだひとはたいてい絶賛してますね。 ●じゃん・ぽ~る西『パリの迷い方』(2008年創美社/集英社、838円+税、amazon年、やっと連載の残りの部分が単行化されて完結。 ●じゃんぽ~る西『パリ愛してるぜ~』(2011年飛鳥新社、1200円+税、amazon) 32歳の著者がBDの勉強がしたくてパリに遊学。そこで見聞した日常のあれこれを描いたエッセイマンガ。 なんといっても芸術の都、おフランス、パリーですからね。日人にとってもかまえてしまうじゃないですか。でもフランス人もバレエ見ながら寝ますかそうですか、わはは。 フランス人への、そこはちゃうやろ、ヘンやろ、おかしいやろ、という日人目線でのツッコミもありますが、それも含めてすべて、著者のパリに対する愛があふれているマンガ。 基

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  • ののちゃんと震災 - 漫棚通信ブログ版

    現在、朝日新聞『地球防衛家のヒトビト』では、防衛家のオトーサンオカーサンが被災地を訪れ、夫婦漫才をくり広げている最中ですが、いやー、しりあがり寿の「マンガにおける」腰の軽さはすばらしい。考える前に描く、という感じ? 来ならこういう大災害は、フィクションに昇華するまで数年かかるかもしれないという題材なわけです。しかし即時性を標榜すべき新聞に掲載されるマンガでそれは許されないと考える作者は、実際に被災地を訪問して「ルポルタージュふう新聞四コママンガ」を描いています。こういうのって過去に存在しなかったものじゃないのか。 さて、朝日新聞のもうひとつの新聞マンガ、いしいひさいち『ののちゃん』。 これまで震災にノータッチだったののちゃんですが、2011年5月11日掲載の4908回で初めて震災を題材にしました。しかもむちゃ高度なフィクション化の手法で。もしかすると読者に伝わってないかもしれない、という

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  • 谷口ジローの描く日本の風景『ふらり。』 - 漫棚通信ブログ版

    NHK「ブラタモリ」の人気もあるのか、古地図ブーム、江戸ブームだそうですね。現代と過去の地図を比較する、というのが流行してるみたいで、わたしも先日それを特集してる雑誌を読みました。みんな江戸時代の「風景」に注目して楽しんでる。 で、谷口ジローの新作もそっち方面といえるかもしれない。 ●谷口ジロー『ふらり。』(2011年講談社、876円+税、amazon) 江戸時代後期、寛政のころ、江戸の街を歩く初老の男性。上品な物腰で脇差しだけを帯刀。武士ではなさそうです。彼はすでに隠居の身で街歩きが趣味と見え、江戸のあちこちに出かけていきます。しかしそれだけじゃなく同じ歩幅で歩く訓練をしているらしい、ちょっと謎の人物。 作品内では最後まで主人公の名は明かされませんが、もちろん彼は伊能忠敬ですね。 まだ日全土の測量を開始する前、家督を譲り隠居してから趣味というか野望というか、江戸で天文学を学んでいたころ

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  • 謹賀新年 - 漫棚通信ブログ版

  • マンガからながめる日本経済『サラリーマン漫画の戦後史』 - 漫棚通信ブログ版

    真実一郎『サラリーマン漫画の戦後史』(2010年洋泉社新書y、740円+税、amazon)読みました。 じつは最初タイトルを見たとき、イマドキにしてなんと地味な、と思ってしまいました。『アサッテ君』とか『フジ三太郎』を思い浮かべちゃったのですね。 しかしこれはわたしの考えが浅かった。書ではサラリーマンマンガの歴史を概観することで、日の戦後史をふりかえる試みがなされてます。わたし自身は給料取りの身分ではありますがサラリーマンとしての自覚に乏しいので、盲点だったなあ。 こういうタイプのマンガ論は(1)マンガを通して現実社会を語り、同時に(2)現実社会を見直すことでマンガを読み解くということをしています。じつは前者ばっかりだと読んでて腹立ってくることが多いのですが、書は(1)と(2)のバランスが絶妙でおもしろく読みました。 「サラリーマン」という和製英語ができたとき、それはスマートでかっこ

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  • 辰巳ヨシヒロがなにやらすごいことになってる - 漫棚通信ブログ版

    今年の1月に発行されたですが、書店でこういうのを見つけて買ってきました。 ●辰巳ヨシヒロ『限定復刻版 黒い吹雪』(2010年青林工藝舎、1500円+税、amazon書は1956年に描かれた貸向けマンガ単行の復刻。手塚治虫文化賞大賞を受賞した辰巳ヨシヒロの自伝マンガ『劇画漂流』(2008年青林工藝舎)によりますと、辰巳ヨシヒロ自身が『黒い吹雪』を描いている最中、これぞ創作のダイゴ味、と手応えを感じた作品だそうです。 『黒い吹雪』のアマゾンでの紹介文を読んでいただければわかりますが、今や辰巳ヨシヒロは、各国で日を代表するマンガ家として評価されてます。 80年代以降むしろ海外で評価され、国際的なコミック・フェスティバルにノミネートされること多数。2005年の仏アングレーム国際コミック・フェスティバル、2006年の米サンディエゴ・コミック・コンヴェンションでは、マンガを大人の観賞に堪

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  • スーパーマンとバットマンの「最終回」 - 漫棚通信ブログ版

    アメコミの代表的なキャラクターといえばもちろんスーパーマンが第一に挙げられるのですが、最近邦訳されたコミックスは少ない。むしろバットマンやX-MEN のほうがたくさん出版されてます。 スーパーマンにはどうしても能天気で快活なヒーロー=子ども向けというイメージがあって、現代日では心の黒いバットマンや、差別され悩めるX-MEN たちのほうが受け入れられやすいのでしょうか。 きちんとしたスーパーマンのコミックス邦訳は、かつて少年画報社が1959年に雑誌「スーパーマン」を創刊。その20年後、1978年にはマーベリック出版が「月刊スーパーマン」を刊行。さらにその20年後、1996年に小学館プロダクションから雑誌「スーパーマン/バットマン」が刊行(これは3冊だけで終わりました)。あとは単発の邦訳だけ、かな。 現代日人にとってのスーパーマンは、コミックスよりも映画やTVでのほうがなじみがありそうです

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  • オタで地方再生『限界集落温泉』 - 漫棚通信ブログ版

    創作は時代を映す鏡。創作物を見ればその時代の空気、匂い、というものがわかるはずです。 世間では、不況で貧困少子化で地方の疲弊でと、良い話をあんまり聞きませんが、こういうテーマを作品の背景としてじゃなく、正面からとりあげるマンガも出てきました。 ●鈴木みそ『限界集落(ギリギリ)温泉』1巻(2010年エンターブレイン、660円+税、amazon) ルポルタージュマンガの名手が挑んだ新境地! と大きくあおっておきましょう。 限界集落とは人口の50%が65歳以上の高齢者になった集落で、そこでは「共同体の機能維持が限界に達している状態」となっているそうです。 お話の舞台は伊豆の山奥。廃業し立ち退きを迫られている温泉旅館に住む父(作家志望のダメ人間)と小学生の息子。そこにやってきたのが東京から逃げてホームレスになっているゲームプロデューサー(ウソつきのダメ人間)と、トウのたった自殺志願のネットアイド

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