政治が「劇場」化する必要条件は何か、ということを今年の大阪府知事選以来考えているのだが、今のところ①衆目を集めるエキセントリックなキャラクター、②大衆の敵意を喚起する「既得権益」、③筋書きのない展開へのライヴ感覚の3点に集約しうるのではないかと仮定している。「郵政選挙」や「橋下劇場」はこれらすべてを備えていた。一方、先の自民党総裁選は「出来レース」になったために③が決定的に欠如していたことが「劇場」化失敗の最大の要因であろう。 昨日国土交通大臣を辞任に追い込まれた中山成彬氏をめぐる「騒動」は、自民党内では「失策」と受け取られ、「いい迷惑」という「空気」が大勢を占め、報道が伝える一般の世論の声も「ネット右翼」のヒステリックな中山擁護の論調とは裏腹に、中山発言への不快感と批判がほとんどである。中山氏は少なくとも27日の宮崎での日教組に対する中傷は、世論の喚起を狙った「確信犯」だったと自認し、い