ロックにはなぜ、ノイズ混じりの爆音が付き物なのか。なぜ、顔を歪め涎を垂れ流して叫ばなければならないのか。銀杏BOYZの楽曲に触れれば、その理由と必然が一発で理解できる。耳を塞ぎ目を背けたくなるような真実も、美しく心揺さぶられるアートになり得る。銀杏BOYZは世界に挑むように、神という名の運命に挑むように、そんなせめぎ合いを繰り返して数々の名曲を生み出してきた。本稿ではその一部をセレクトし、じっくり向き合ってみたい。(小池宏和) ①BABY BABY青いリビドーごと刹那を駆け抜けたバンド=GOING STEADY。その突如の幕切れと地続きになって、銀杏BOYZの物語はスタートした。銀杏BOYZが2作同時リリースしたデビューアルバム『DOOR』と『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』にはGOING STEADY時代からのレパートリーが幾つか新録音で収められ、『君と僕の〜』収録の“BABY BAB