2月15日発売の講談社現代新書で、『反教育論──猿の思考から超猿の思考へ』という刺激的なタイトルの本を出す精神科医の泉谷閑示さん。 内容もタイトルに負けず劣らず刺激的。「好き・嫌いの大切さ」「道徳は悪を生む」「基礎神話の誤り」「成長に不可欠な嘘」「早期教育の危険性」「あとで苦労しないためという考え方の誤り」など、従来のしつけ・教育の常識を疑いつつ、ルソー、ニーチェ、バートランド・ラッセル、エーリッヒ・フロム、ピーター・ブルック、岡潔など、さまざまな先達の言葉を引きながら、本当の人間の思考とは何か、人間らしく生きるとは何かを考えさせる熱量に溢れた本となっている。 その泉谷さんが本書を著した動機とは? しつけや教育で「去勢」しないでほしいという思いがこの本を書かせた ──『反教育論』、かなり挑発的なタイトルですね。そしてタイトルもさることながら、内容も、従来の子育て、教育の「常識」に真っ向から