東京都千代田区神田神保町の古書店「一誠堂書店」が11日、古典籍の展示即売会で、中国の南宋時代の12世紀頃に刊行された漢詩選集「唐人絶句」を4億6000万円で売り出した。 中国では早くから木版の印刷技術が発達し、当時出版された書籍は「宋版」と呼ばれ、書体や造本の美しさ、現存例の希少さからすでに明代から高額で取引されてきた。しかも21冊がまとまっていることから、極めて貴重という。 同店の目録などによると、南宋の文人、洪邁が編んだ。大きさは縦28・2センチ、横19・3センチ。唐代の詩人、杜甫が李白に贈った漢詩などが印刷されている。元は22冊あり、室町時代までに日本に伝わったものとみられる。近年は少なくとも40年以上、店に保管されていた。