スイスのアンベールという人が書いた『絵で見る幕末日本』という題名の本があります。その中に文久三年頃の剣術について書かれた部分がありますので 興味深い部分をご紹介します。 「私は、しばしば役人たちの剣道試合に出席した。試合を始める前、お互いに相手に向かって丁寧にお辞儀をする。お互いの刀が十字に組み合った場合、守勢の方は敵の打撃を受け止めるために、片膝で立つことが少なくなかった。跳びかかるごとに、芝居のような見得を切り、表情たっぷりなジェスチャーをした。攻撃に際しては、双方から声を掛け合った。審判者が中にはいり、誇張した口調で勝負を判定した。」 「守勢の方は敵の打撃を受け止めるために、片膝で立つことが少なくなかった。」という部分からは折敷胴がここから展開するのだろうということを思わせます。 「跳びかかるごとに、芝居のような見得を切り、表情たっぷりなジェスチャーをした」という部分は打突の後に後打
![幕末の剣術](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/7bed267617aa37107b6158ab38bc4cf576a1ff3b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fblog-imgs-83.fc2.com%2Fk%2Fa%2Fn%2Fkanoukan%2FDSC_0819.jpg)