【パリ=谷悠己】フランス統一地方選は27日に決選投票がある。パリ近郊のセーヌエマルヌ県議選では、移民政策の厳格化を訴える極右政党「国民連合」(RN)から東京都新宿区出身の犬飼敦子さん(58)が出馬し、決選投票に進んだ。同党から立候補する日本出身者は初めてという。 幼少期からフランスに憧れていたという犬飼さんは1989年に渡仏し、国立校で日本語の正規教員となるため99年に仏国籍を取得。外国出身者として同化に努める中で、「フランスの社会保障制度の恩恵を受けながらこの国のことを好きにならない移民が増えているのはおかしい」と感じてきたという。 主張に共感していたマリーヌ・ルペン氏がマクロン大統領に敗れた2017年の大統領選後、RNに入党。自ら出馬する意思はなかったが、男女比を半々にするため2人一組で選挙活動する県議選で、女性候補者を探していた地方幹部から説得され、在住する同県での立候補を決意した。