7月に誕生する「みずほ銀行」の頭取を、みずほフィナンシャルグループ(FG)の佐藤康博社長が兼ねる見通しとなった。佐藤氏は持ち株会社と中核銀行の経営を一手に担う権力を持つ。みずほは統合前の旧3行でポストを分け合うなどの“旧弊”が指摘されてきたが、「ワン(1つの)みずほ」を掲げる佐藤氏が組織や人材の一体感をどう高めるか手腕が注目される。 みずほは東日本大震災直後のシステム障害を機に、みずほ銀行とみずほコーポレート銀行の合併を決断。佐藤氏はみずほコーポ銀頭取とみずほFG社長を兼務し、グループの立て直しや再編を主導してきた人物だけに、「求心力は高まっていた」(みずほコーポ銀幹部)。 みずほでは10年以上にわたり、前身の第一勧業、富士、日本興業の旧3行の出身者が持ち株会社と傘下銀行のポストを分け合う慣習が続いた。今後は副頭取など他の役員人事の調整も本格化するとみられ、旧行意識からの脱却が試される。