自動車や電機の工場で一般的な産業用ロボットが、食材の加工現場にも広がってきた。対象の形や大きさがバラバラのため自動化が遅れてきた分野だが、技術の進化と人手の不足が普及を後押ししている。 北海道湧別町のオホーツク海沿いにある水産加工場では、地元産ホタテの殻をロボットがこじ開け、貝柱を切り取っていく。1分あたり96枚。手慣れた従業員11人分の働きという。試運転を3年前から重ね、ことし6月から本格的に稼働させた。 以前からの手作業ラインの従業員25人は、うち10人ほどが中国からの技能実習生で、残る日本人は高齢化が進む。ロボットの導入に1億円近くを投じた地元漁協の雲津幸治常務理事は「これなしでは立ちゆかなくなる」と話す。 ロボットのアームは、安川電機(北九州市)の製品だ。化粧品の箱詰めなどに使われてきた。 これを北海道釧路市の食品機…