つい先日まで妻は車に全く興味が無かった。完全に0。だから私が燃費が悪い男の浪漫の塊SのRを選んでも「買える範囲内の金額であれば何も文句は無いよ」と右手をヒラヒラさせるだけだった。 しかし、私がうっかり会社で車の鍵を失くしてしまい、、社用車のワンボックスカーを借りて帰宅し週末を過ごしてしまった結果、「この車めっちゃ乗りやすいし、扉開けやすいし、車内拾いし、荷物沢山載せられる」と妻は無事鍵が見つかり帰ってきた浪漫カーS君をじっと睨んだ。 「この車、実用性低過ぎじゃない?来年子供生まれるし、これはもう無理じゃね?」 私はナウシカの様にS君を後ろに隠しかばったが、妻の主張はもっともであると理解していた。 多分来年の夏前にはS君はドナドナされて、私は何かしらのファミリーカーに子供を乗せてショッピングモールへ行くだろう。 それまでS君のアクセルを踏み続けてあげたい。
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