※1999年ごろ=「セルアニメの末期」時期の原稿のため、最新状況などとは異なり、用語も一部違っている部分があると思います。あくまで「当時の情報」として再掲します。 ◆アニメはそもそもデジタルなのだ まず確認しておきたい事実がある。それは「セルアニメーション」という表現自体が、本質的には「デジタルな」表現様式であるということだ。 映画が現実に存在する物体の三次元空間と質感とアクションを実体として撮影するのに対し、アニメーションはそれを「絵」によって模擬しようとする。三次元空間は、二次元の透明なセルの重なりとして置きかえられる。質感は、ベタな絵の具数百色の弊領域・平面の組み合わせになる。アクションは、フィルムのコマ単位に時間と空間が分解されて描かれる。 これらが本質的に「デジタル化」と等価であることは容易に想像できよう。 セルアニメーションには模擬的なものであるがゆえの限界もある。表現者は常に