お土産物屋の一例、「朝韓百貨」。韓国と北朝鮮の国旗が混ざっている場合が多い。 だが、同時に丹東は、「北朝鮮を見る」観光地であり、リバーサイドビューを売りにする高層ホテルが林立している。鴨緑江沿いの遊歩道は夜になるとライトアップされ、カップルが行き交う。丹東はたんに物騒な場所ではない。 思い返せば、中朝国境は、かつて大日本帝国の国境でもあった。ふたつの警察国家が隣り合うこの場所は、日本とも無縁ではない。薄れつつある陸の国境の記憶とともに、丹東の最新の姿をレポートしたい。 観光地化する中朝友誼橋 中朝国境の要は、鴨緑江に架かる中朝友誼橋である。経済制裁が行われているというが、見たところ、昼夜を問わずにトラックが行き来していた。 この橋は、太平洋戦争中の1943年に日本によって架けられた。大日本帝国の遺産が、北朝鮮の生命線のひとつになっているのは皮肉だ。 中朝友誼橋のすぐ隣には、1911年にやは