山口:東急ハンズは“ヒントマーケット”であるという打ち出し方をしています。これは、どういった考えに基づくのでしょうか。 長谷川:かつてハンズは「行けば何でもある」店であり、そういう時代が続いてきました。実際、約60万アイテムの在庫があります。でも渋谷店や新宿店単体で見ると17万~18万アイテムほどで、実は何でもあるわけではない。一方、楽天やアマゾンのアイテム数は何千万です。すると、「ハンズに行けば何でもあるって、嘘やん」ということになる。 そう気がつき始めたのが、2007、08年頃でした。そこで改めて、僕らって何をお客さんに提供しているんだろうという議論を社内でしました。その結論が「僕らが提供しているものは、ヒントだ」ということだったんです。 山口:そう言えば渋谷店の壁紙などを扱っているコーナーに、主というか、長年お勤めの方がいますね。名前は覚えていないのですが、相談するとなんでも教えても