「日本車のシンボルマークといえば、頭文字をデザインしたものがほとんど。もしかして、日本車が世界的にブランド化していかない理由がそこにあるのかな」と分析する水野学氏 2012年秋、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスで、ひとつの講義が産声を上げた。授業名は「ブランディングデザイン」。教員の名は水野学。ドコモの広告や中川政七商店のトータルプロデュースに携わったかと思えば、「くまモン」のキャラクターデザインも担当する、異色の経歴の人物だ。 この講義はすぐに話題になり、60名の定員に対し500名以上の応募が殺到。開講から4年たった今も、多くの若者たちを惹きつけている。そんな人気講義の内容が今年5月に満を持して『「売る」から、「売れる」へ。水野学のブランディングデザイン講義』として書籍化。ビジネスマンから大きな反響を呼んでいる。 デザイナーとして多くの企業をコンサルティングしてきた彼は、停滞する日本経済を