大衆食堂というと、どのような空間をイメージされるだろう? アジの開き、サンマの塩焼き、ブリ大根といった魚系和食メニューから、麻婆豆腐や中華そばといった中華料理、はたまたオムライスにハンバーグまで。和・洋・中を問わず、ご飯とみそ汁が付けば、なんでも定食として食べられてしまう。考えてみれば不思議な空間だ。 昭和、もしくはそれ以前から長年続いている大衆食堂もある中、昨今和定食をメインに扱うチェーンも台頭し、日常生活にずいぶんと溶け込んでいる。 そんなチェーン系大衆食堂の元祖ってどこだろう? と思い立ち、調べてみたら……。 「じゅらくよ~ん♪」だった! じゅらくとは、旅館や居酒屋など多業種で展開する株式会社聚楽(じゅらく)のこと。昭和50年代、セクシーな金髪美女が登場するテレビCMが流れ、当時の子どもたちは茶の間でフリーズし、お父さんは熱く萌えたのだ。 そんな聚楽の大本は、大正時代に創業した大衆食