夢を与えるposted with amazlet at 11.12.11綿矢 りさ 河出書房新社 売り上げランキング: 26944 Amazon.co.jp で詳細を見る 綿矢りさの凶悪さとは、笑顔で近づきながらみぞおちあたりをナイフで刺されるような恐ろしさであって以前『蹴りたい背中』を読んだときも、もはや振り返りたくもない思春期の自意識過剰っぷりについて掘り返されてしまい「ライフはゼロよっ!」というクリシェでもってその痛さをお伝えしたくなった。その凶悪さは『夢を与える』において、とことんチープな「美少女主人公の成り上がりから転落へ」というストーリーで発揮される。狙っているのか、天然なのかよくわからない表現の稚拙さは、その痛さのクスグリなのか、地の文と主人公の意識の流れがリニアに接続され、視点がぼやける最中、なんとか読み続けられるギリギリのバランス感でもって破綻が予告され、緩やかにページの
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