JAS製材、なかでも機械等級区分構造用製材は、木造建築に欠かせない木材の品質基準をもつ構造材としてもっと普及すべきもの。 今回は、木造建築に精通する建築家 古川泰司氏と構造家 山田憲明氏が、機械等級区分構造用製材の重要性と可能性について語る。 (企画協力=全国木材組合連合会 取材協力=西参道テラス/設計:石川素樹建築設計事務所 写真=水谷綾子) 長年、木造建築を設計していると不思議に感じることがあります。それは、多くの建材はJIS規格(日本工業規格)という共通基準での品質表示が当たり前、かつ設計者もそれを求めている一方、木材に関しては、そうした共通基準の品質に関心が低い、ということです。これは“ものづくり”のあるべき姿としては異常。生産者も、自分が生産した木材が一番よいと口をそろえてアピールするのですが、その根拠が示せない場合が多いのです。木材の品質を保証する国の指標がJAS規格(日本農林