新潮社 2007年12月 橋本治氏の「小林秀雄の恵み」を読んで、久しぶりに“本を読んだ”という気がした。“本”を書くというのは、何かいいたいことがあり、それを充分な紙幅にわたって展開することだと思う。橋本氏の近著「日本の行く道」(集英社新書 2007年11月)も面白かったが、これはあきらかに紙幅がたりない。事実「本当はもっと長くてもいいのですが、新書には「限界」もあるらしいので、これで終わりです」とある。最低でもこの3〜4倍の長さは必要なのだろうと思う。それを新書におさめるために、エピソードを二つならべて、次にいきなり結論、エピローグという構成になっている。これで理解できるためには、橋本氏の論に普段せっしていることが必要で、それをしていない人間は「日本の行く道」を読んだら、何がなにやら、であろう、と思う。そういうものを単著として出すというのはいかがなものなのだろうか? 「上司は思いつきでも
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