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ブックマーク / kmiura.hateblo.jp (8)

  • 彼女が死んだ。 - kom’s log

    一ヶ月の間一緒に住んだ。二ヶ月の間、病院で過ごした。短い結婚生活が終わった。 脳幹の梗塞、ということで一度医師団に見放された後に奇跡的に復活したという話はここに書いた。その後の脳の機能回復は私からみるかぎりかなり目覚しく、瞬きを使ってどの曲を聴きたいか、などのコミュニケーションを交わすことができるようになるまで回復した。一方で脳ではなく体の予後が思わしくなかった。初期の激烈な血圧上昇剤投与を停止したことによる副作用と思われる虚血による後発性肝内胆道炎を起こし、おそらくそのことが原因となった肝膿瘍が発症からちょうど2ヵ月後に発見された。細菌の感染も軽微ではあるが、抗生物質で完全に排除することができなかった。脳、肝臓、感染の三つ巴のなかで、治療方針は難航を極め、集中治療室を出ることができずに時間ばかりが過ぎた。この間に私はリハビリについて調べ、特にリハビリの専門家であるバーバラ・ウィルソンの著

    彼女が死んだ。 - kom’s log
    Gen
    Gen 2009/04/08
  • 歴史の記述 - kom’s log

    小学六年生の時に、それまで私が生きた12年間の経験、起こったことをすべてノートに書き記そうと思い立ったことがある。記憶をすべて書いてしまおうと思ったのだ。分厚いノートを用意して、いざはじめてみたもののしばらくしてとても困ってしまった。すべてを書くにはあまりに時間がかかる。多分一生かかってしまう。ライフワーク。そのことに気がついた私は机に突っ伏した。挫折である。おかげで小学六年生以前のことを私はずいぶん忘れてしまった。比較するにはあまりにくだらない例でもうしわけないのだが、 野家は、そうした「忘却の穴」は「神の眼」でしか見通せないからこそ「物語りえぬことについては沈黙しなければならない」と言う ... 「語りえない」ものと「語りうる」ものの可能性の中で主体は分裂しているが、他方で「語りうるもの」と「語りえない」ものの間にこそ「証言」の主体はあるのだとアガンベンは言う。 ... 「語りえない」

    歴史の記述 - kom’s log
  • とある学位取得間近の院生へのお返事 - kom’s log

    全般に、帰らないと決めて渡航するのではなく、合ってたらそのまますみ続ければいい、ぐらいの感じで、フレキシブルに自分の将来を考えたほうがいいと思います。住む場所は自分で決めるものであって、いやになったら引っ越すことはいつでも可能です。 1、生活への適応 生活に関しては適応できなかった人をめったにみかけないのであまり心配しないほうがいいでしょう。合わない、と感じたらなるべく早く場所を変えることです。海外で暮らす上での一番大きなリスクはメンタルヘルスです。この点に気をつけて、ぎりぎりまで自分を追い込まないようにすればどうにかなると思います。 2、コミュニケーションについて コミュニケーションは言葉の問題ではなく、いいたいことをどれだけシンプルにわかりやすく人に伝えることができるか、という自己表現能力と、他人の話をそのメッセージどうりに理解する能力です。この能力と言語の技術的な能力は別のものである

    とある学位取得間近の院生へのお返事 - kom’s log
  • 2007-10-03

    人間社会において個人の自由と社会の秩序は反比例*1するのだろうか、と考えてみると、そうじゃないだろうな、と私はなんとなく思う。下の図でいえば、青のカーブが自由と秩序が反比例の関係だ*2。社会の秩序がなくなればなくなるほど、人間が自由になるというモデル。クラッシックな無政府主義はこんなモデルを想定しているのかもしれない。でも実際の社会を考えてみると、無秩序な社会では人間はあまり自由ではない。適切な例ではないかもしれないが、米軍が侵略した結果秩序が低下したイラクを思えば、そこに住む市民は好かれ悪かれ秩序があった侵略前よりも移動の自由、思考の自由はそれを保障する最低限のシステムが劣化したために自由度は低下しているだろう。山賊夜盗の跋扈する世の中では普通の人間は家でじっと息をひそめる、というような状況である。 そんなわけで、自由と秩序の関係はおそらく上の赤のカーブがより現実に近い。秩序がなさすぎれ

    2007-10-03
  • kom’s log アザデガン油田の話。

    id:svnseeds氏が素晴らしいリサーチ(id:svnseeds:20040224#p1)。根が深い話ということで、昨日id:svnseeds氏のところにコメントした「日の反米ポーズなんじゃない」という単純きわまりない発言は撤回します。おもしろいんで、私も引き続きちょっと時間使って調べてみた。以下がそのまとまりのまりないメモ。要約すると、2点(1)国策としての自主採掘 (2)トヨタとイランの関係。むちゃ長いです。 石油の自主採掘か、市場依存か、というのはどうも議論の決着のついていない話で、まあ両面攻撃で、ということになっている。以下みたいな衆議院委員会の議論。 衆議院経済産業委員会第153回第6号 平成13年12月5日(水曜日) 平沼国務大臣 ・・・(略)その中で、私は閣僚の中で一番早く石油公団の廃止というものを打ち出しました。しかし、そのときに私は、三つのことを担保しなければならな

    kom’s log アザデガン油田の話。
    Gen
    Gen 2006/10/08
  • 日本人入門 - kom’s log

    先週の私はドイツに来て10周年であり、10度目の誕生日でもあった。私の誕生日を祝う友人たちとイタ飯屋でさんざん飲みいしたあとに、じゃあもう一軒、ということで街の中心にある広場に向かった。中世の雰囲気を残す石畳の広場には、我々がよく集う飲み屋がある。その飲み屋の前にある街灯に古い型の自転車が立てかけてあり、フレームには日の丸がぶら下がっていた。どこの日人だ、こんなアホなことしているのは、と私はいいかげん酔っ払っている友人たちにいった。すると彼らは、おもしろい自転車だし写真でもどうだという。そこで私は自転車にまたがった。友人たちは揃ってケータイのシャッターを切りまくっている。そうこうしているうちにどこからともなく封筒を渡された。なんじゃこりゃ、やっとプレゼントかね、とぶつぶついいながら封を切ってみたら自転車の鍵が入っていた。私がまたがっていた日の丸自転車は、私への誕生日プレゼントだったので

    日本人入門 - kom’s log
    Gen
    Gen 2006/09/25
    「日本人内部での差異化装置がないと、日本で「日本人」であることというのはとても難しいことになるのである。」
  • エンゲル係数 - kom’s log

    ドイツ人数人を含めて飯のことなど雑談しているときに、「エンゲル係数が高い」という表現をしたら、揃って「??」と首を傾げたので、「もしかしてお前らドイツ人なのにエンゲル係数をしらんのか?」と少々戸惑いながら、手取りに占める費の割合であって、生活状況の貧富の簡便な指標である*1、という説明をしたのだが、まったくピンと来ていないようで、だんだんと私は自信がなくなっていった。 うちで飯をっていたときだったので、広辞苑を引っ張り出してきて、エンゲル係数の項目を開いた。エルンスト・エンゲル、ドイツ人の統計学者、と書いてある。いいか、19世紀のドイツ人の学者だぞ、なんで日ではポピュラーなのに、ドイツ人が知らんのだ?と私は問うたのだが、知らないものは知らんということでその場はうやむやになり、なぜエンゲル係数が発祥地のドイツでは無名であり日では日常語になるほど有名なのか、という私の疑問は解消されずに

    エンゲル係数 - kom’s log
    Gen
    Gen 2006/04/07
  • 2004-12-22

    昨晩は家で鶏ちゃんこ鍋。ノルマンディーフランス人、コルシカフランス人に、女子空手チャンピョンドイツ人。「暗室で実はひそかに空手の型を練習してしまう」に他の3人でのけぞった。だって放射標識の実験の暗室だもんなあ。 一昨日に引き続き*1。 ファインマンの「ご冗談でしょうファインマンさん」にたしか出てきた話だと思うのだが(もしかしたら、続編の方かもしれない)、ファインマン父がどのようにリチャード・ファインマンを教育したか、という一節がでてくる。ありゃ。もしかしたらアインシュタインだったかもしれない。でもアインシュタインの伝記は大人になってから読んでいないしなあ。まあ、どちらでもいいけれど、偉大な物理学者の話。 で、その偉大な物理学者の父は、「名前は重要ではない」と何度も教えたそうだ。すなわち、森の中を散歩しているときに、鳥や木の名前は重要ではない、鳥が何をして、木がなにをしているのか、が重要であ

    2004-12-22
    Gen
    Gen 2005/06/30
     [ネタ]
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