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ブックマーク / natrom.hatenablog.com (8)

  • ピロリ菌は胃がんの原因の何%か? - NATROMのブログ

    ピロリ菌感染は胃がんの原因の一つである。主な原因であると言っていい。ピロリ菌が胃がんを引き起こすメカニズムもだいぶ明らかになっているが、よしんばメカニズムが不明であっても、疫学研究からピロリ菌と胃がんの因果関係は証明されている。 ただ、ピロリ菌感染が胃がんの原因だと言っても、ピロリ菌に感染していなくても胃がんになる人もいれば、ピロリ菌に感染していても胃がんにならない人もいる。報告によっても差があるが、ピロリ菌に感染していると、感染していない場合と比較してだいたい5〜10倍ぐらい胃がんになりやすい*1。ピロリ菌感染と胃がんの関係は、喫煙と肺がんの関係と同じぐらいの強さで、HPV(ヒトパピローマウイルス)と子宮頸がんの関係よりは弱い。 「胃がんの99%はピロリ菌が原因」という主張があるが、さすがに99%というのは過大評価である。仮に胃がん患者の99%がピロリ菌陽性であったとしても、その中にはピ

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    Gen
    Gen 2017/01/17
  • 一生に一度でいいから肝炎の検査を受けよう - NATROMのブログ

    ほとんどの人は健康で長生きしたいと考えているだろう。人々は健康のために、健康品を購入したり、運動したり、検診を受けたり、事に気をつけたりしているが、そうした行動にはコストがかかる。できることなら、なるべくコストの少ない方法で、効率よく健康・長生きという結果を得たいよね。そこで、コストパフォーマンスの良い方法を紹介するよ。それは、ウイルス性肝炎の検査を受けること。しかも、一生に一度でOK。そもそもウイルス性肝炎とは何か、なぜ検査が一生に一度でいいのかをこれから説明する。 国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報サービス ■日人のためのがん予防法 肝がんの原因の大半が慢性ウイルス性肝炎 慢性ウイルス性肝炎ってのは、B型慢性肝炎とC型慢性肝炎のこと。薬害肝炎訴訟とかで聞いたことぐらいあるだろう。日の肝臓癌の原因の大半はこれ。大雑把に言うと、肝臓癌の原因の約75%がC型慢性肝炎で、

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  • 患者の家族が病室で宴会してた - NATROMのブログ

    地方の中核病院で勤務していた頃のこと。ずいぶん前から意識のなかったあるご高齢の患者さんがいよいよ危ないため、病院に泊まりこんでいた。といっても、大往生といっていいくらいの年齢であり、ご家族も納得の上で、「蘇生処置はしない、自然に看取る」という方針で、することはあまりない。夜の9時ごろだったろうか、看護師に呼ばれて病室へ行った。すでに患者さんは個室に移っており、ご家族が15人ほどいた。部屋に入りきれず、部屋の外にあふれている。ここまでは別に珍しいことではない。 病室に入ると、見たことのないおっさんが「酸素の管が外れとる」と大声で言った。確かに鼻カニューレが外れている。テープ等で固定されているが、それでも外れることはある。別に大きな問題ではなく、看護師が戻せばいいだけの話だし、家族が戻したっていい。なぜわざわざ医師を呼ぶのか。おっさんは明らかに酔っ払っており、看護師は困惑顔。おそらく、おっさん

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    Gen
    Gen 2008/11/21
    ひとつの憧れではあるなぁ
  • 利己的遺伝子と男の浮気 - NATROMのブログ

    利己的遺伝子説の批判者は、こう誤解することが多い。 ■ドーキンス説の問題*1 利己的遺伝子説を信じる進化論学者は、こう主張することが多い。 「男はみんな浮気をするのが当然だ。そうすればたくさんの遺伝子を残せて有利だからだ」 こう主張するとき、彼らは自説のどこが間違っているか、わからないのだろう。 過去にもとりあげた*2南堂久史氏による。文字コードのえらい人としても有名である。もし南堂氏がこのエントリーに反論するのであれば、是非、誰がそのような主張をしているのか、具体的な引用とともにご教示いただきたい。私の知る限り、「男はみんな浮気をするのが当然だ。そうすればたくさんの遺伝子を残せて有利だからだ」などと主張している「利己的遺伝子説を信じる進化論学者」はいない。ドーキンス自身は、以下のように書いている。 「浮気」戦略というのは、これが雄のふるまう方法だというわけではなく、二つの仮想的な代替戦略

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  • 神と科学は共存できるか? - NATROMのブログ

    宗教家と無神論者を4タイプに区別したこういうジョークがある。 ■信仰心と無神論の計算の違い(らばQ)。(原文:■Today's Math Lesson (The Primate Diaries)) ●原理主義宗教家 2+2=5だと信じている。その理由はそのように書かれているから。 税金の控除額の計算のときによくトラブルになります。 ●穏健な宗教家 現実的には2+2=4という基に沿って生活している。しかし規則的に教会などに行き、以前に2+2=5の時代があったとか、いつかまたその日が来ると言われ続けている。そして実際精神的な世界では5であるはずと信じている。 ●穏健な無神論者 2+2=4であることを知っている。 しかしながら2+2=5と信じている人が感情を害するかもしれないので、大きく主張することは無礼だと考えている。 ●戦闘的な無神論者 おいおい、よく見てくれよ。ほら、ここに小石が2個ある

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  • 群衆の数を推定する - NATROMのブログ

    「教科書検定意見撤回を求める県民大会」の参加者数が議論になっている。朝日新聞では「11万人」*1。産経新聞は「4万人強」*2。よく聞く話だよな。この手の話を書いたがたしか棚にあったはず。 ■統計はこうしてウソをつく ジョエル・ベスト(著), 林 大 (訳)。副題は「だまされないための統計学入門」。 書は社会統計に関係した陥りやすい過ちについて論じている。第5章の「スタット・ウォーズ―社会統計をめぐる紛争」において、利害の対立が統計をめぐる争いを招くことを論じる。「論争の当事者は往々にして、自分は一つの統計だけでなく重要な利益や原則を擁護しているのだと考える(P170)」。朝日新聞と産経新聞も、単に参加者の数ではなく、その背後にある思想をめぐって争っているのであろう。沖縄の県民大会において、どちらの数字が正しいそうなのかの判断材料を私はもっていないので、書より、似たような事例を紹介す

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    Gen
    Gen 2007/10/09
    この本、本棚にあるけど、読んでないなぁ。
  • NATROMの日記 - 2007-09-19 「喫煙者の壁」

    医局に置いてあった文藝春秋をふと読んでみると、「変な国・日の禁煙原理主義」という記事があった。「官が押しつける健康増進。この国はおかしくなっている」という副題がついている。養老孟司と、山崎正和という劇作家の対談形式。確かに、最近の禁煙運動にはやりすぎのところもあると、煙草を吸わない私でも思うくらいだ。たとえば、喫煙所を廃止して施設内全面禁煙にするものだから、裏口が事実上喫煙所になっており、そばを通ると臭いし吸殻も汚い。明確に分煙するほうが、お互いにハッピーであろうに。 というわけで、読む前は、この文藝春秋の記事は行き過ぎた禁煙運動に対する警鐘であるかと思った。劇作家のほうは知らないが、養老は、東大医学部を出て、基礎系とは言え教授まで勤めた人である。世間一般で思われているほどではないにせよ、それなりの医学知識は持っているであろうと私は考えていた。ところが読んでみてびっくり。養老は、基的な

    NATROMの日記 - 2007-09-19 「喫煙者の壁」
    Gen
    Gen 2007/09/19
    問題は養老さんが科学に必須の確率論的思考を放棄していること。養老さんはそれをわかった上で戦略的にagitateしている気がする。タチ悪いけど。あと、「喫煙者の壁」というタイトルは×。喫煙者一般に敷衍しないで。
  • 信仰と狂気~吉村医院での幸せなお産 - NATROMの日記

    「幸せなお産」というコラムを見つけた。「有機野菜・無添加の素材をつかったオーガニック料理」を配達するお店のサイトのコンテンツ*1で、「人生マクロビオティック」「オーガニック生活のすすめ」といったコラムの中の一つである。たまたまうまくいった例を紹介して自然分娩を賛美するのはよく見かける。このコラムも「病院での人工的な分娩ではなく、自然な分娩を行いうまくいったハッピー」という内容だろうなと読者諸君は想像されるかもしれない。しかし、このコラムはその想像の斜め上をいく。 ■幸せなお産 (■魚拓)(オーガニックエッセイ たけまつばなし一覧) 多少長いので、要約する。両親ともに「お肉もべない無添加のバリバリオーガニック生活」を送っていた。妊娠が判明し、近所にマクロビオティックの助産院があったが、「逆子は法律上、助産院では産めない」。大阪の病院では「あなたの骨盤ではこの大きな頭の赤ちゃんの自然分娩は無

    信仰と狂気~吉村医院での幸せなお産 - NATROMの日記
    Gen
    Gen 2007/07/08
    笑うのではなく、感情を満たす物語をいかに現代の医療制度の中に組み込んでいくのかを考えるべき。
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