先日ある本を読んでいて多項ロジスティック回帰分析の結果を読み間違えている部分を見つけたので、啓蒙のために書いておく。多項ロジスティック回帰分析は結果が読みにくく解釈が難しいので、私はできるだけ使わないようにしているが、使わざるを得ない場合もある。それゆえ、解釈の際の注意点など書いておくことは意味があろう。 例えば、高齢者の介護を誰が担うべきか(選択肢は、「1家族」、「2施設」、「3場合による」の3択)、という態度と教育年数の関係を明らかにしたいとしよう。介護に関する態度を従属変数、教育年数を独立変数と考えると、分析方法の一つとして多項ロジスティック回帰分析が考えられる。「1家族」、「2施設」、「3場合による」を選ぶ確率をそれぞれ, p1, p2, p3 とすると、 という二つの回帰式を立てて係数を同時推定するのが多項ロジスティック回帰分析である。ちなみに従属変数のカテゴリが増えればそれに比