そろそろ現実の話をしようか:世界最高のビジネス誌「The Economistを読む」 連載第2回 ブータンの民主主義 (『クーリエジャポン』2007/7号 #33) 山形浩生 民主主義というお題目の強力さは言うまでもない。アメリカ大陸の某国は、爆撃して銃をつきつけても民主主義を導入させるのが正しいと思っている。そしてその「民主主義」というのは、何やら紙に名前を変えて箱に入れる「選挙」という形式だけをやらせればいいんだというのが、カンボジアでもイラクでもアフリカ各地でも展開されている茶番ではある。さて今回は、あるヒマラヤの小国で進行中のそうした茶番のお話だ。 『雷龍に清き一票を:ブータンの選挙予行演習』 (2007/4/26号) (Thinking out of the box," 抄訳) クンザン・ワンディはヒマラヤのブータン王国の選挙委員長なのに、その予行演習ではなぜかちょっと浮かぬ顔だ