前回のコラムで、ソニーグループ+IBM+東芝の新CPU「Cellプロセッサ」のポイントは、異なる種類のCPUコアを組み合わせた「ヘテロジニアス(Heterogeneous:異種混合)マルチコア」にあると説明した。3社が異種混載のマルチコアを採用した目的は、パフォーマンス/消費電力効率のアップにある。より効率の高いプロセッサコアにすることで、妥当な消費電力で極めて高いパフォーマンスを実現することだ。実際、Cellは、既存の汎用プロセッサと比べると、格段にパフォーマンス/電力が高いと推定される。 現在のプロセッサ開発の最大の命題は、“いかに性能を効率よくアップさせ続けることができるか”にある。それは、プロセッサのパフォーマンス/消費電力効率が極度に悪化しているためだ。この問題は、ここ1~2年のプロセッサ業界の最大のトピックであり、カンファレンスなどでも何回もテーマに取り上げられてきた。 Cel