ある遺伝子の選択的な複製がヒトの知性の進化に寄与した可能性があることが指摘されている (Discovery News の記事、(本家 /. 記事、doi: 10.1016/j.cell.2012.03.033) 。 ヒトにはおよそ 30 個の選択的に複製された遺伝子があり、これらは偶発的なコピーミス (部分的なコピーの重複) により生じている。研究グループはこのうち SRGAP2 に着目してこの遺伝子を部分的に重複させて、元来 SRGAP2 を持たないマウスのゲノムに導入したところ、脳が発達する間の神経細胞の移動が速くなったとのこと。これは脳組織の効率を良くする働きがある。しかも、脳細胞から突起した軸索が他の細胞と結合する様は、より人間的な脳のようであったとのこと。