アメリカのバイデン大統領は、連邦最高裁判所が人工妊娠中絶は憲法で認められた権利だとしたおよそ50年前の判断を覆したことを受け、中絶の権利を保障する連邦法を制定すべきだと訴えました。 アメリカの連邦最高裁は先月24日、人工妊娠中絶を巡り、半世紀近くにわたって判例となってきた「中絶は憲法で認められた女性の権利だ」という判断を覆し、中絶を規制するかどうかの権限は事実上、各州の政府にあるとしました。 中絶を支援する団体によりますとこれを受けてすでに9つの州で中絶が原則として禁止されたほか、今後、厳しく規制される見通しとなっている州もあります。 バイデン大統領は30日、訪問先のスペインで行った記者会見で「連邦最高裁の判断はとんでもない」と批判したうえで、中絶の権利を保障する連邦法を制定すべきだと訴えました。 中絶を巡って、アメリカでは与党・民主党が容認の立場をとる一方で、野党・共和党は反対しています