デフレ脱却を政策目標としてきた政府と日本銀行は、やれやれ一安心といったところだろう。ただし、消費者にとっては必ずしもうれしい話ではない。賃金の平均が3.4%上がっているわけではないからだ。 今回、価格転嫁がスムーズに実現した背景は、2つある。 国内景気が好調であったこと。中小企業まで好景気が波及したとはいえないものの、大企業景況感でみると国内景気は好調で、値上げが通りやすかったと言える。 価格転嫁がきちんと実行されるように、政府が目を光らせていたこと。「消費税転嫁対策特別措置法」を2013年10月から施行し、転嫁促進をはかっていた。この法律で、大規模小売業者が消費税増税分を価格転嫁しないで、その分、納入業者に値引きを強制する行為は違法とされた。 政府が旗振りをして、消費税転嫁を進めた効果は意外に大きかった。大手小売業は4月に値上げをしなかったら、中小納入業者に値引きさせてないか調査対象にな
![「物価上昇」は喜んでいいの!? 増税分が完全に"価格転嫁"された背景とは?](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/6cb949d05dd55483667659b3299530cb28c389a4/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnews.mynavi.jp%2Farticle%2F20140630-a343%2Findex_images%2Findex.jpg)