アメリカが既存の秩序や国際法を蹂躙(じゅうりん)する中、ピーター・ティールの言動に注目が集まっている。彼はアメリカを代表するベンチャー投資家で、最初期のフェイスブックに投資したことで知られる。「シリコンバレーのドン」とも言われ、早い段階からトランプ支持を鮮明にしてきた。かつて自分のもとで投資家修業をしたJ・D・バンスを支援し、副大統領に据えることにも成功している。トランプ政権に最も影響力を持つ人物の一人と言っていいだろう。 そのティールがサム・ウルフとともに発表した論考「世界の終わりへの航海」に注目が集まっている。日本では前編が「ピーター・ティールのワンピース論」として『文芸春秋』2月号に掲載され、後編が「『ワンピース』のルフィはキリストだ」として『文芸春秋』3月号に掲載された。 ティールはここで科学技術と人類の未来について論じる。かつてF・ベーコンは小説『ニュー・アトランティス』(162

