犯罪を計画段階から処罰する「共謀罪」の趣旨を含む組織的犯罪処罰法の改正案が23日、衆院本会議で自民、公明、日本維新の会などの賛成多数で可決され、衆院を通過した。政府・与党は今国会での成立を目指す考え。民進、共産など野党4党は採決に反対した。 「共謀罪」法案は、組織的犯罪集団を対象に277の犯罪を計画し、資金調達などの準備行為を処罰する内容。犯罪を実行に移した段階から処罰する日本の刑事法の原則を大きく変えるものだ。政府はテロ対策を前面に打ち出し、国際組織犯罪防止(TOC)条約の締結には、法案の成立が必要だと訴えている。 自公維3党は、取り調べの可視化(録音・録画)やGPS(全地球測位システム)捜査の制度化の検討を盛り込むなど法案を一部修正したが、内心の自由などを制約しかねない法案の本質部分は変わっていない。民進、共産、自由、社民の野党4党は、内心の自由を侵し、捜査権限の拡大で社会の監視が強ま
国連特別報告者のケナタッチ氏が「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案に懸念を示した問題で、民進党はケナタッチ氏が菅義偉官房長官の抗議に再反論した声明を入手し、23日の法務部会で公開した。声明全文は次の通り。 ◇ 私の書簡は、特に日本政府が今回の法案を十分な期間の公的議論(public consultation)を経ず、提案された諸施策について許容される十分な考慮もないままに、法案を早急に成立させることを愚かにも決定したという状況においては、完全に適切なものです。 私が日本政府から受け取った「強い抗議」は、ただ怒りの言葉が並べられているだけで、全く中身のあるものではありませんでした。その抗議は、私の書簡の実質的内容について、1つの点においても反論するものではありませんでした。この抗議は、プライバシー権に関する私が指摘した多くの懸念またはその他の法案の欠陥について、ただの1つも向き合っ
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