『世界史(上)』『世界史(下)』(ウィリアム・H・マクニール著、増田義郎・佐々木昭夫訳、中公文庫刊)各1400円(画像クリックで拡大) ウィリアム・H・マクニールの歴史書『世界史』の文庫版が、今年に入って全国の書店で異例の売れ行きを見せている。原書は1967年に米国で発行され、世界中で読み継がれている名著として知られている。古代から近現代までの世界の出来事を独自の史観で鮮やかにとらえており、通史的にまとめているのが特徴だ。日本では70年代に翻訳版が出版されていた。その後、中央公論新社が2001年に改訂版を出版し、2008年に文庫化した。 4年前に文庫化された本書が売れるきっかけとなったのは、2011年3月に同社の販売促進部が東京大学の生協に「たった2冊で大丈夫! 世界史を理解する最後のチャンスです」というパネルを作り販売したこと。早稲田大学や慶應義塾大学などほかの大学生協でも好調な売れ行き