僕が米国で働いているのは、米国で仕事が見つかったからであり、 それ以上でもそれ以下でもない。 しかし、どうして英語もロクに話せない自分が米国で働いているのだろう と更に考えるともう少し抽象的な答えに行き着く。 それはアメリカ社会の時間や不確実性に対する感覚が 自分に割と合っていたということだ。 答えの糸口は小学生の頃にさかのぼる。 僕は、モーレツサラリーマンと専業主婦という典型的な昭和の家庭に育った。 そして今でも強烈な記憶として残っているのは、子供の頃、 自分の両親の生き方をどうしても自分と重ねられなかったことだ。 子供というのは大人から見ると一見能天気なように見えて いろいろなことに悩んでいる。 友達、親、兄弟、先生といった人間関係は 自分では全くコントロールできないし、 将来自分がどうなっていくかということは想像もできない。 子供は圧倒的な不確実性の中に生きていて、 それが逆に生きて