ブックマーク / mickmack.hatenablog.com (6)

  • 幸せになる働き方:御手洗瑞子『ブータン、これでいいのだ』 - ミックのブログ

    書は、コンサルタントである著者が、約1年間、ブータン政府職員として働いた経験をもとに書かれた見聞記です。実際に住んで現地の人と生活をともにした人ならではの生き生きとした描写が、ブータンの人々への暖かい共感とあいまって楽しみながらブータンについて色々な方向から知ることができます。 ブータンは、国民の幸福度を高めることを目標とするユニークな国策(GNH)が先進国の間で有名になり、日でも昨年、国王夫が訪れたことなどから知名度が高まっている国です。閉塞感に苦しむ最近の日と対比して、ブータンを理想的な国として思い描く人も少なくない。 私も、ブータンには興味を持っていました。それは、「ブータンの人は仕事についてどう思っているのだろう?」ということが気になっていたからです。日も、世界的に見れば、まあそんなに悪い国ではありません。街は清潔で犯罪率は低く、インフラは整備されており医療水準も高い。こ

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    Grrrly
    Grrrly 2012/05/07
  • 『Economist』:愛と法 - ミックのブログ

    2006 年 2 月 19 日、キミコとテツオの夫婦は、大阪のラブホテルにチェックインした。二人は鎮静剤を大量に飲み、手首を切ったが、真夜中に覚醒し、自殺が失敗したことに気づく。テツオはキミコの要求に従って、彼女の首を絞めた後、再び手首を切り、首をつろうとした。だが、彼は結局自殺に失敗し、警察を呼ぶことになった。 彼を裁くにあたり、アメリカの法廷であれば、意図の有無を問う。しかし日の法廷では、キミコが彼を愛していたかどうかが重要な鍵を握る。もし二人の間に愛があれば、彼女は殺人に同意したと見なされ、テツオの刑は軽くなる――。 ミシガン大学ロースクールのマーク・ウェストが著わした『Lovesick Japan』は、日の司法が、愛をどのように扱い、それが他の先進諸国といかに異なっているかを、多数の裁判案件の調査に基づいて明らかにしたものです。ちょっと前にやっていた人気番組「ここがヘンだよ日

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    Grrrly
    Grrrly 2011/06/13
    「こうした日本の司法のピンボケぶりは、日本の司法制度そのものが残す前近代性とも結びついているのでしょうが、単純に裁判官がほとんど中年の男性だから、という理由が一番大きい気がする。」・・・良く言った。
  • 石原莞爾と杉原千畝 - ミックのブログ

    企業、特に大企業についてよく指摘されることに、「現場は優秀で上層部は無能」という特徴があります。半ば自虐的なジョークとして大企業の社員自らが「ネタにする」こともしばしばです。この感覚は、日の組織で働いている人の間ではかなり広く共有されていて、私自身、自分の社会人経験に照らして、けっこう賛同できる意見でもある。なぜそうなってしまうのか、その理由も興味深いところですが、ともあれ、「現場が上の命令を無視して独断で動き、華々しい成果を挙げる」という物語は、日人の好物です。「事件は現場で起こっているんだ!」と上司に怒鳴って突っ走る青島刑事は国民的ヒーローだし、日のサラリーマンがよく口にする「現場主義」という言葉にも、バックオフィスでふんぞり返っているお偉方への反感がこもっている。 そういうサラリーマン的感覚の延長で考えると、東京電力の吉田所長の造反に喝采を送りたくなる気持ちは、理解できない

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    Grrrly
    Grrrly 2011/06/01
  • 人生は大学まで待ってからでも遅くはないと思う - ミックのブログ

    学校におけるいじめというのが、いつから存在しているのか知りませんが、たぶん学校制度の成立時からあったのでしょう。いじめが全国的に大きな問題として受け止められるようになったきっかけは、中野富士中学や愛知県西尾市中学で起きたいじめによる自殺事件です。後者の事件は、私もよく覚えています。西尾市は私の生まれ故郷に近いので、当時かなり周囲でも話題になった。つい先日も、群馬県で小6の子が自殺したという事件が報じられたばかりです。 いじめの問題は、一般にイメージされているような子供のモラルの問題ではありません。ましてや最近の子供が精神的に荒廃したから起きているわけでもない。その理由は、いじめが小中高と満遍なく起きるのに対し、大学に入るとパタッと起きなくなるからです。国立教育政策研究所が今年発表したレポートによれば、特にいじめが起きやすい学年とか学校という傾向は見出せず、「いじめられやすい子」という類型も

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    Grrrly 2010/11/01
  • 仕掛けられた罠:若桑みどり『お姫様とジェンダー』 - ミックのブログ

    ずっとたなざらしにしていた若桑みどり『お姫様とジェンダー』を読了。私は、美術史家としての若桑みどりは大好きでファンなのですが、フェミニストとしての発言があまり好きではなく、この人のフェミニズム関係の著作は(『戦争がつくる女性像』のような歴史的調査を除けば)ずっと敬遠してきました。でも、もう亡くなってしまったし、直接声を聞く機会も今後ないのだなと思って、連休を利用して著作を読み直してみました。結論から言うと、書も想像していたよりずっと冷静な啓蒙書で、優れたでした。もっと前に読んでおけばよかった(最近歳のせいかそう思うことが多い。時間を無駄にしたと思うよりはいいのだろうけど)。 書は、女子学生にジェンダー教育をするときの教師向けの指導書という体裁をとっていますが、素直に啓蒙書としても面白く読めます。『シンデレラ』、『白雪姫』などメジャーな女の子向けアニメを見たときの学生のレポートが抜粋さ

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    Grrrly 2010/04/18
  • 殺したのがブスだったら…:小谷野敦『美人好きは罪悪か』 - ミックのブログ

    いまの日で公然と差別することが許されている領域は、学歴と年齢と容姿です。「公然と」の意味合いは、だいたい「テレビのバラエティ番組を見ていると出てくる」というのと同義です。クイズ番組では「高学歴」と「低学歴」でチームわけをするのは普通だし、年齢に関しては最近新語が多く作られてるし、容姿に関しても、ブス/ブサイクな芸人を笑い者にするのは、特段悪いこととは見なされていません。いや、真面目なうるさ方の中にはこういうのを見て不快な気持ちになる人もいるでしょうが、とりあえずまだ世間では認められている範囲、ということになっている。 20世紀の間、世界的に差別問題のトップにくるテーマは常に人種でしたが、これは今ではまともな民主主義国家なら例外なく違法とされます。法律的な面だけでなく、道義的にも禁じられており、人種差別主義者(racist)の烙印を押されることは、欧米では社会的に抹殺されることを意味します

    殺したのがブスだったら…:小谷野敦『美人好きは罪悪か』 - ミックのブログ
    Grrrly
    Grrrly 2009/07/06
    美人と美術を並列するのは危険な気が。「美しくない」芸術は基本的には芸術ではないけど、美しくない人間が人間でないかというとそうじゃないから。存在の意味が違う。
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