優れたインタフェースは、内部構造を知らなくてもそれを使えるようにする。それはとても便利なことだけど、内部構造を知らないのでうっかり必要な要素を壊してしまうことがある。この小説では、その危うさが三角関数という要素を壊すことによって露呈する。 三角関数それ自身も「角度を渡したら余弦とかが出て来る」というインタフェースを持ったブラックボックスだ。三角関数が内部でどういう計算をしているか知らない人も多いだろう。僕も知らない。だから、何かを禁止したらうっかり三角関数まで使えなくなってしまうことが考えられる。三角関数という題材は、それが他の技術の要素でありながらも、それ自身も何か他の要素から成り立って…続きを読む