(2012年5月25日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 少し前なら、立て続けに行われる西側の大国の首脳会議(サミット)は、世界の注目を集めていただろう。それが最近では、西側がどれだけ早く、どの程度衰退したかを浮き彫りにするだけだ。 衰退の10年間を象徴するものを探しているのなら、直近の主要8カ国(G8)と北大西洋条約機構(NATO)のサミットほど多くを語るものはない。 2つのサミットのメッセージ 忘れてはいけないが、今世紀初めには、米国に永遠の覇権国としての役割が割り当てられていた。欧州は、世界中に根づいていくポスト国家主義の多国間協調主義のモデルというポーズを取っていた。NATOはバルカン半島でスロボダン・ミロシェビッチ氏を屈服させたばかりで、新たな世界秩序の軍事的守護者として自己改革を遂げていた。 あれから10年が経ち、欧州は自分たちが払拭した思っていた国家主義に悩まされている。ワシ