先に書いたように、肺炎を併発して死線をさまよっているさなかに、日本文藝家協会から封書が届き、開けてみると、「推薦入会のお勧め」だった。人生、楽あれば苦あり、苦あれば楽ありという。してみると、これは「楽」のほうなのだろうか。文面を読むと、「推薦入会」という制度に則って会員2名(うち1名は理事)の方の推薦があったとのこと。ということは、私も文筆家の端くれとして認められたということだ。素直に喜んでいいのだろう。生きていてよかった、とつくづく思う。まだまだ訳したい本はたくさんある。 私は肝臓ガンを患っている。ガンが見つかったのは、2011年に「首斬り人の娘」シリーズの1作目を上梓後、小説の舞台である南ドイツのショーンガウなどをドライブ旅行(これについてはすでに書いた)して帰って来た暮れのことだった。すぐに検査入院(入院先は東京女子医大病院、ここは消化器内科外科ともに肝臓病の専門医が揃っている)とな