堂場さんオススメの5冊。後ろは、様々な出身地の移民が行き交うノルウェー・オスロのグルンランド地区。ノルウェーでは今年、移民問題を背景にした連続テロ事件が起きた。 作家の堂場瞬一さんが翻訳ミステリーの最前線を紹介する「海外ミステリー応援隊」。今月は通常のコーナーに加え、混沌(こんとん)とする世界情勢を反映して多様化してきたこの1年の翻訳状況を振り返ります。 ヨーロッパで今、「移民」が政治・社会の火種になっています。7月には、ノルウェーで連続テロ事件が発生、容疑者は「ノルウェーと欧州をイスラム化から救うためだ」と供述し、移民政策のきしみが露呈しました。 この事件があったせいでもないでしょうが、特にヨーロッパのイスラム系移民問題を軸に据えたミステリーが目立ちました。 デンマークを舞台にする『特捜部Q―檻(おり)の中の女―』(ハヤカワ・ミステリ)では、主人公の警部補のパートナーがシリア系の青年です