◇「帝国」の影響力、警察にも 英国の日曜大衆紙「ニューズ・オブ・ザ・ワールド」(10日付で廃刊)の電話盗聴事件が英政界と警察を巻き込んだ一大スキャンダルに発展している。ワールド紙を傘下に置いていたメディア王ルパート・マードック氏の「マードック帝国」の威光も大きく減退。事態はその規模で、盗聴事件が大統領辞任につながった米国の「ウォーターゲート事件」にも例えられ始めた。【ロンドン笠原敏彦】 米「ニューズ・コーポレーション」のルパート・マードック会長(80)が召喚された19日の英下院メディア委員会。会長は、昨年5月のキャメロン政権発足直後に最初の官邸への招待客となった際に裏口から入った理由を問われ、「そうしろと言われたからだ。(首相は選挙での)支援に感謝するため私を招待した。ブラウン(前首相)からも何度も招待された」と明かし、政界との深い関係の一端に触れた。 今年1月に始まった再捜査で、ワールド