(英エコノミスト誌 2013年8月3日号) スパイ事件の新事実発覚と連立の計算がアンゲラ・メルケル氏の勝利を難しくする可能性がある。 メルケル首相は依然高い支持率を誇っているが・・・〔AFPBB News〕 洪水が収まり、ドイツ人はお決まりの夏の儀式に戻っている。アンゲラ・メルケル首相は、2年間同じドレスを再利用した後で新調した青い洋服をまとい、毎年恒例のバイロイト音楽祭鑑賞に出かけた。その余裕がある有権者は、海辺に向かっている。 9月22日の議会選挙に向けた選挙運動は、まだ熱戦の局面を迎えていない。それはメルケル氏と対抗馬のペール・シュタインブリュック氏が1度限りのテレビ討論に挑む9月1日に始まる。 メルケル氏にとって、こうした季節的な無関心は思いがけない幸運だった。というのも、それが1年前には誰も予想できなかった物議と同時に訪れたからだ。 米国と英国の諜報機関による世界的なスパイ行為に