もっとも、中には後年の増改築で大空間が分断されて、空間構成が分かりにくい駅もあったりします。その点、パディントン駅は古い建築ながら他の駅に比べてコンコース上の構築物が少なくて見通しがよいので、ヴォールト構造(カマボコ屋根)の内部空間をじっくりと見学できます。 線路が行き止まりになっている頭端式の駅は日本ではあまり目にしません。ですから、空港よりむしろこの種の駅の方が外国の雰囲気を感じますね。さらに、スパン(柱間)の広い大空間によって建築と列車と乗客の一体感が生じています。旅情をかき立てる演出効果は抜群です。 日本のホームも充実を 頭端式でなくともホーム上屋を大スパンで架構することは可能ですが、これまでの日本ではこのような空間の駅は少なく、私鉄の頭端式ターミナル駅に数例がある程度でした。しかし1990年代から2000年代以降、駅の新設や改修で徐々に採用されるようになり、大阪駅には広大な空間が