野田首相が9月26日(2012年)昼(日本時間27日未明)、ニューヨークの国連本部で一般討論演説を行った。テレビで聞いていて、なかなか格調高い、感動的な力強い言葉で、世界の姿のあるべき理想を訴える内容となっていた。 多分、多くの聞く者をして感動を与えたに違いない。 だが、世界の姿のあるべき理想を格調高い、感動的な言葉で描けば描く程、現実世界の在り様、現実政治の効用性との落差が生じて、学者が訴える“であるべき論”の色彩を濃くする。 例えば東日本大震災の教訓は「どんな自然災害にも負けない強靭な社会を築くための心得」であって、「未曽有の大震災と巨大津波がもたらした大自然からの警告は、文明の持続的なあり方自体を根源から問い直すものでもありました」と、哲学的とすら言うことのできる格調高い言葉となっているが、「どんな自然災害にも負けない強靭な社会」とは、いつ襲ってくるかは分からないが、自然災害が襲って