岸田文雄首相が流れをつくった自民党の派閥解消が、党大会で正式決定された。日本の戦後民主主義は、「政治とカネ」問題が起きるたびに揺らいできたが、多くは派閥が舞台になった。岸田首相ら5人の宰相を生んだ宏池会で会長を務め、派閥政治の光と影、表と裏を知り尽くした古賀誠元幹事長が功罪を語った。 日本は戦後民主主義の時代になって80年になろうとしている。しかし、その節目を前に自民党でまたしても、派閥パーティー裏金事件という「政治とカネ」を巡る問題が起きた。事件を受けて岸田文雄首相は、出身派閥の宏池会(岸田派)解散を表明した。僕は一つの決断であり、間違っていなかったと思っている。 だが、「派閥の全てが悪だ」と言って解散するだけなら、一時的なごまかしに過ぎない。集団を形作るのは人間の本能であり、そういう意味で派閥はなくならない。首相も分かっているはずだ。だから首相は、派閥のどこが悪く、変えるには何が必要な