マスク姿の女性が「無知の感染が拡大しています。身を守らなければならない!」と呼びかける皮肉が描かれた壁=ローマで2月6日、AP 「中国人! コロナ!」 出張で訪れたドイツ南部ミュンヘンの街中を歩いていると、すれ違いざまに非白人の青年2人が突然ドイツ語で声をかけてきた。立ち止まってドイツ語で「待って。私に何と言った? 私は日本人だよ。何か言いたいことがあるの?」と聞き返すと、ニヤニヤしていた2人は困ったように顔を見合わせて口ごもった。 もちろん中国人と間違われたことに異を唱えたのではない。私も、街を歩く人々の国籍を言い当てる自信はない。本当に言いたかったのは、「誰であっても国や出身地を理由に侮蔑的に扱うのは理不尽だ。やめて」ということだ。 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、欧州でもアジア人差別の事例を耳にする。アジア人が全て中国や日本の出身者とは限らない。出身者だったとしても、母国を最近