フィリピンまでは同じ漁船。でも一回、台湾で乗り継ぐ。タイの漁船がなぜ日本に来たのか。明らかに不自然だからな。が、台湾とは海産物の受け渡しを頻繁にしているのでゴマカシがきく。そして瀬取りなどしてヤクザの息のかかった日本の漁船に積み替え、陸に上げる。これが唯一、安定的にいまでも続いている密輸ルートだ」 松本(編集部注:独自に覚醒剤のタイルートを開拓していたヤクザ組織の幹部男性)は、タイに組織の自前の製造工場があることを否定していた。その真偽については分からないが、とにかく、他国に、政府機関と無関係の工場を持つことで安定供給できるわけだ。 米軍ルート かつて和久井は僕にこう質問したことがあった。 「いま日本に入って来ているシナモノ(覚醒剤、大麻、コカインなどの麻薬)は、7割がヤクザルート。残りの3割はどこからか、なあ、分かるか?」 答えに窮していると、和久井は勿体ぶらずに言った。 「米軍。つまり
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